2012年01月17日
●『震度0(ゼロ)』
『震度0(ゼロ)』
映画化もされた『半落ち』や『クライマーズ・ハイ』という元新聞記者という経験を活かした社会派の作風で有名な横山秀夫原作の同名タイトルの映画化。
阪神・淡路大震災が発生した1995年1月。
時期を同じくして、被災地より700km離れたN県警の警務課長である不破という男が失踪した。
その事実が明るみに出れば、自分たちの進退や出世に影響が出ると思った県警幹部たちは、内輪だけで事件を解決しようとする。
それぞれがそれぞれの思惑で行動する中、次第に失踪の真相が明らかになっていき、事態は思わぬ方向へと転がり始める。
未曾有の震災となった阪神・淡路大震災と保身のために行動する県警幹部たちの姿を対比させる事によって、
個人の価値観というものがいかにちっぽけなのものかを描き出している。
確かに、普段いくら威勢が良く、偉ぶっていても、有事の時にどのような行動を取れるかが、その人間の本質だといえよう。
人は聖人君子でない限り、誰でも醜さや浅ましさを内に抱えている。
それが表に顔を出すのは、追い込まれた時に違いない。
災害時にあたふたと醜く足掻く姿は、東日本大震災に対面した現代の政治家の姿とも被る。
基本的に室内での議論シーンが多いものの、それが単調な感じないのは、原作の持つリアリティと絶妙に配役された俳優陣の熱演によるところが大きい。
知的で野心家の冬木を演じる上川隆也を始め、國村隼、渡辺いっけい、升毅など実力派が揃っているのも見応えがある。
ただ、震度の差を比喩するために引用された以外、震災が劇中で何の重要性も持たないのが、疑問でならない。
日本全土が揺れた震災。
それと比べれば、その最中に起こった組織内の問題や個人の利権など『震度0』以外の何物でもない。
最後に。
阪神・淡路大震災で被災した多くの方々のご冥福と今なお復興に取り組んでいる方々の健康を心よりお祈り申し上げます。
映画化もされた『半落ち』や『クライマーズ・ハイ』という元新聞記者という経験を活かした社会派の作風で有名な横山秀夫原作の同名タイトルの映画化。
阪神・淡路大震災が発生した1995年1月。
時期を同じくして、被災地より700km離れたN県警の警務課長である不破という男が失踪した。
その事実が明るみに出れば、自分たちの進退や出世に影響が出ると思った県警幹部たちは、内輪だけで事件を解決しようとする。
それぞれがそれぞれの思惑で行動する中、次第に失踪の真相が明らかになっていき、事態は思わぬ方向へと転がり始める。
未曾有の震災となった阪神・淡路大震災と保身のために行動する県警幹部たちの姿を対比させる事によって、
個人の価値観というものがいかにちっぽけなのものかを描き出している。
確かに、普段いくら威勢が良く、偉ぶっていても、有事の時にどのような行動を取れるかが、その人間の本質だといえよう。
人は聖人君子でない限り、誰でも醜さや浅ましさを内に抱えている。
それが表に顔を出すのは、追い込まれた時に違いない。
災害時にあたふたと醜く足掻く姿は、東日本大震災に対面した現代の政治家の姿とも被る。
基本的に室内での議論シーンが多いものの、それが単調な感じないのは、原作の持つリアリティと絶妙に配役された俳優陣の熱演によるところが大きい。
知的で野心家の冬木を演じる上川隆也を始め、國村隼、渡辺いっけい、升毅など実力派が揃っているのも見応えがある。
ただ、震度の差を比喩するために引用された以外、震災が劇中で何の重要性も持たないのが、疑問でならない。
日本全土が揺れた震災。
それと比べれば、その最中に起こった組織内の問題や個人の利権など『震度0』以外の何物でもない。
最後に。
阪神・淡路大震災で被災した多くの方々のご冥福と今なお復興に取り組んでいる方々の健康を心よりお祈り申し上げます。
2012年01月13日
●『イントゥ・ザ・ワイルド』
『イントゥ・ザ・ワイルド』
冒険家ジョン・クラカワーのベストセラー小説『荒野へ』を原作に、思春期の若者の青春ともどかしさを鮮烈に描いた作品。
監督は俳優のショーン・ペン。
本作は、パームスプリングス国際映画祭で監督賞、ゴールデングローブ賞で挿入歌『Guaranteed(マイケル・ブルック、エディ・ヴェダー)』が歌曲賞を受賞した。
主演は、『ガール・ネクスト・ドア』や『スピード・レーサー』で爽やかな主人公を演じたエミール・ハーシュ。
1990年の夏。大学を卒業したばかりのクリスは、全てを投げ捨て、古びた車で一人旅に出る。
やがて車を捨てたクリスは、アリゾナからカリフォルニア、サウスダコタへと自分の足で移動を続け、アラスカの荒野を目指す。
彼は何を思い、何を求めて一人旅に出たのか。そして、彼の旅の果てには何が待ち構えていたのか。
まるで、ドキュメンタリー映画のように、物語はスクリーンに様々な人との出会いと別れ、長い旅の過程で広がる美しい自然を淡々と描き出していく。
それもそのはずだ。
本作は1992年にアラスカの荒野で死体となって発見された若者クリストファー・マッカンドレスの人生を追った実話を元に作られている。
多感な年齢で誰もが思う「自分の人生」の意味。
生きていくという事は戦いや苦難の連続で、自由や愛などと甘い事ばかりをいっていたら一人では到底生きていけない。
人生は、荒野のように無情で厳しい現実を人々に思い知らせてくれる。
主人公のクリスもまた、若さ故に全て捨て、若さ故に無謀な旅に出発し、若さ故にその命を落とした。
その旅で彼が何を見出したのかは語られない。
人生の戦いから逃げ出した逃亡者と取るか、自由を求めて自分の足で踏み出した挑戦者と取るか、その判断も観る人によって様々だろう。
しかし、どちらを取ってもいえる事は、人は決して孤独ではないという事だ。
この豊かな文明社会の中でさえ、人は自分が孤独だと思い込んでいるだけで、一人の人間の人生には実に多くの人が関わり、多くの想いが共有されている。
人生とはそうやって人と人との関わりの中で育まれたその人の足跡に他ならない。
死の間際、クリスが書き記した言葉がある。
Happiness only real when shared.
「幸福は、誰かと分かち合った時にだけ本物になる」
本作は、その言葉の意味を改めて、現代に生きる我々に気付かせてくれるだろう。
そして何より、クリストファー・マッカンドレスの魂と共に荒野=人生を前に踏み出す勇気を与えてくれる。
冒険家ジョン・クラカワーのベストセラー小説『荒野へ』を原作に、思春期の若者の青春ともどかしさを鮮烈に描いた作品。
監督は俳優のショーン・ペン。
本作は、パームスプリングス国際映画祭で監督賞、ゴールデングローブ賞で挿入歌『Guaranteed(マイケル・ブルック、エディ・ヴェダー)』が歌曲賞を受賞した。
主演は、『ガール・ネクスト・ドア』や『スピード・レーサー』で爽やかな主人公を演じたエミール・ハーシュ。
1990年の夏。大学を卒業したばかりのクリスは、全てを投げ捨て、古びた車で一人旅に出る。
やがて車を捨てたクリスは、アリゾナからカリフォルニア、サウスダコタへと自分の足で移動を続け、アラスカの荒野を目指す。
彼は何を思い、何を求めて一人旅に出たのか。そして、彼の旅の果てには何が待ち構えていたのか。
まるで、ドキュメンタリー映画のように、物語はスクリーンに様々な人との出会いと別れ、長い旅の過程で広がる美しい自然を淡々と描き出していく。
それもそのはずだ。
本作は1992年にアラスカの荒野で死体となって発見された若者クリストファー・マッカンドレスの人生を追った実話を元に作られている。
多感な年齢で誰もが思う「自分の人生」の意味。
生きていくという事は戦いや苦難の連続で、自由や愛などと甘い事ばかりをいっていたら一人では到底生きていけない。
人生は、荒野のように無情で厳しい現実を人々に思い知らせてくれる。
主人公のクリスもまた、若さ故に全て捨て、若さ故に無謀な旅に出発し、若さ故にその命を落とした。
その旅で彼が何を見出したのかは語られない。
人生の戦いから逃げ出した逃亡者と取るか、自由を求めて自分の足で踏み出した挑戦者と取るか、その判断も観る人によって様々だろう。
しかし、どちらを取ってもいえる事は、人は決して孤独ではないという事だ。
この豊かな文明社会の中でさえ、人は自分が孤独だと思い込んでいるだけで、一人の人間の人生には実に多くの人が関わり、多くの想いが共有されている。
人生とはそうやって人と人との関わりの中で育まれたその人の足跡に他ならない。
死の間際、クリスが書き記した言葉がある。
Happiness only real when shared.
「幸福は、誰かと分かち合った時にだけ本物になる」
本作は、その言葉の意味を改めて、現代に生きる我々に気付かせてくれるだろう。
そして何より、クリストファー・マッカンドレスの魂と共に荒野=人生を前に踏み出す勇気を与えてくれる。
2012年01月05日
龍
新年あけましておめでとうございます。
今年は辰年。『魔人』も『九龍』も非常に《龍》に馴染み深い作品です。
お気づきかと思いますが、『魔人』も『九龍』も主人公のデフォルトネームには「龍」の字が入っています。
便宜上デフォルトネームを設定しただけなので、主人公=プレイヤーという考えの下、変更される事前提で考えた名前ですが、
今後リリースする私のジュヴナイル伝奇作品でも、デフォルトネームには同様に「龍」の字を入れようと思っています。
去年一昨年はいろいろとありましたが、《龍》の見護る2012年には、その年に相応しく、第3の「龍」をお披露目できるように頑張っていきますので、どうぞ応援の程よろしくお願いいたします。
2012年が、皆さんにとって幸多い一年である事を願って。
今井秋芳
今年は辰年。『魔人』も『九龍』も非常に《龍》に馴染み深い作品です。
お気づきかと思いますが、『魔人』も『九龍』も主人公のデフォルトネームには「龍」の字が入っています。
便宜上デフォルトネームを設定しただけなので、主人公=プレイヤーという考えの下、変更される事前提で考えた名前ですが、
今後リリースする私のジュヴナイル伝奇作品でも、デフォルトネームには同様に「龍」の字を入れようと思っています。
去年一昨年はいろいろとありましたが、《龍》の見護る2012年には、その年に相応しく、第3の「龍」をお披露目できるように頑張っていきますので、どうぞ応援の程よろしくお願いいたします。
2012年が、皆さんにとって幸多い一年である事を願って。
今井秋芳
2011年12月31日
シネマレビュー一覧(2011年更新)

【ア】
『アイ,ロボット』
『愛の流刑地』
『悪霊喰』
『アザーズ』
『アバウト・ア・ボーイ』
『アンダーワールド』
『アンブレイカブル』
『イーグル・アイ』
『インクレディブル・ハルク』
『イングリッシュ・ペイシェント』
『海猿』
『ヴィドック』
『ヴィレッジ』
『ヴェロニカ・ゲリン』
『ウォンテッド』
『エミリー・ローズ』
『エンジェル・ウォーズ』
『オーロラの彼方へ』
『オースティン・パワーズ』
『オペラ座の怪人』
【カ】
『ガタカ』
『キック・アス』
『逆境ナイン』
『キャッチ・ミー イフ・ユーキャン』
『ギャラクシー・クエスト』
『グエムル/漢江(ハンガン)の怪物』
『グッバイ、レーニン!』
『コララインとボタンの魔女』
『コンスタンティン』
【サ】
『ザ・シューター/極大射程』
『サスペクト・ゼロ』
『殺人の追憶』
『サマータイムマシン・ブルース』
『下妻物語』
『私立探偵 濱マイク』
『ジェヴォーダンの獣』
『13F』
『シャーロック・ホームズ』
『Shall we dance?』
『ジャンパー』
『ジョー・ブラックをよろしく』
『ショーン・オブ・ザ・デッド』
『スーパーマン・リターンズ』
『スカイキャプテン』
『スクール・オブ・ロック』
『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』
『スターウォーズ』
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』
『ストーリーテラー』
『スピード・レーサー』
『スラムドッグ$ミリオネア』
『300(スリーハンドレッド)』
『セルラー』
『その土曜日、7時58分』
【タ】
『ターミナル』
『ダークナイト』
『第9地区』
『大帝の剣』
『007/カジノ・ロワイヤル』
『ダニー・ザ・ドッグ』
『天使とデート』
『ディープ・ブルー』
『ディファイアンス』
『デスペラード』
『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』
『遠い空の向こうに』
『トーマス・クラウン・アフェアー』
『トリック・劇場版』
『トレーニング・デイ』
『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』
【ナ】
『ナイト・ウォッチ』
『ナイト・ミュージアム』
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
『ナチュラル』
『28日後…』
【ハ】
『ハイランダー 悪魔の戦士』
『バッドサンタ』
『ハムナプトラ』
『薔薇の名前』
『バタフライ・エフェクト』
『バットマン ビギンズ』
『パフューム ある人殺しの物語』
『パラサイト』
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
『ヒドゥン』
『ビッグ・フィッシュ』
『ピッチブラック』
『フォーン・ブース』
『プリンセス・ブライド・ストーリー』
『ペイチェック~消された記憶』
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』
『ポーラー・エクスプレス』
『ボーン・アイデンティティ』
【マ】
『マイ・ボディガード』
『マスク・オブ・ゾロ』
『マレーナ』
『Mr.インクレディブル』
『M:i-III』
【ヤ】
【ラ】
『ラッキーナンバー7』
『ラブ・アクチュアリー』
『リベリオン』
『LIMIT OF LOVE 海猿』
『レッドクリフ part.1』
『レディホーク』
【ワ】
2011年12月14日
さぁ、押してもいいんだぜ。懐かしいドラム缶をよ。
同業者という事もあり、他のゲームを紹介というのも口幅ったいと思っているので、あまりゲームを紹介する事はしてないのだが、今回はエンターブレインの人からDSでリメイクされた『メタルマックス2:リローデッド』を貰ったのでご紹介。
ゲーム業界に入ると以前ほどゲームをプレイしなくなる人も多いと聞くが、こう見えて、いまだにかなりの数のゲームをプレイしていたりする。
そんなプレイ履歴の中、好きなゲームはいろいろあるが、『メタルマックス』もその1本。

無法の大地を戦車と犬と共に、賞金首を求めて旅をする名作『メタルマックス』。
ファミコンで1をプレイして、その世界観や戦車をカスタマイズするシステムが好きで、
密かにお気に入りのRPGだった。
ファンタジーRPG全盛の中で異色な世界観がとても魅力的で、古くは『マッドマックス』、今でいうと『トライガン』や『砂ぼうず』といったところだろうか。
ゲームというのは総合エンターテイメントだと考えているので、世界観、登場人物、システム、音楽、インターフェース、シナリオやセリフが混然一体となって1つの作品を築き上げているのが良いと思っている。
そういった意味で『メタルマックス』は、すべてに西部劇のような「乾いた」砂漠の風や香りが感じられ、制作者のこだわりが感じられる。
リメイクなので、今の若いゲームユーザーたちには古く感じるかもしれないが、名作である事に変わりはない。
ゲーム業界に入ると以前ほどゲームをプレイしなくなる人も多いと聞くが、こう見えて、いまだにかなりの数のゲームをプレイしていたりする。
そんなプレイ履歴の中、好きなゲームはいろいろあるが、『メタルマックス』もその1本。
無法の大地を戦車と犬と共に、賞金首を求めて旅をする名作『メタルマックス』。
ファミコンで1をプレイして、その世界観や戦車をカスタマイズするシステムが好きで、
密かにお気に入りのRPGだった。
ファンタジーRPG全盛の中で異色な世界観がとても魅力的で、古くは『マッドマックス』、今でいうと『トライガン』や『砂ぼうず』といったところだろうか。
ゲームというのは総合エンターテイメントだと考えているので、世界観、登場人物、システム、音楽、インターフェース、シナリオやセリフが混然一体となって1つの作品を築き上げているのが良いと思っている。
そういった意味で『メタルマックス』は、すべてに西部劇のような「乾いた」砂漠の風や香りが感じられ、制作者のこだわりが感じられる。
リメイクなので、今の若いゲームユーザーたちには古く感じるかもしれないが、名作である事に変わりはない。

