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2008年11月03日

●『レッドクリフ part.1』

●『レッドクリフ part.I』★★★☆☆

ジョン・ウー監督による『三国志』の映画化で、原題は『赤壁』が表す通り、『赤壁の戦い』をクローズアップしている。
『part.I』だけで、上映時間145分の長編。
ただ、ベースとなっているのは魏・呉・蜀の歴史を描いた史実『三国志』よりも、英傑の伝説やフィクションのエピソードを交えて描かれた『三国志演義』の色が濃い。
曹操が明らかな悪役になっていたり、長坂の戦いで劉備の妻が井戸に飛び込むシーンや孫権が机を刀で切りつけ開戦を宣言するシーンなどは『演義』にあるエピソード。
ただ、『演義』色が濃いだけで、完全にそれをベースにしているのかといえばそうでもなく、『三国志』ベースのシーンも多々ある。
『三国志』において、周瑜は最初から魏と交戦するつもりだったが、『演義』においては、孫権と周瑜は魏に降伏する考えで、孔明=諸葛亮と魯粛に説得され、蜀と同盟を結び魏と交戦する流れとなっている。
また、赤壁の戦いでの孔明の影が薄いのも『三国志』寄りである(『演義』では、孔明が引き立っており、周瑜が孔明に怖れをなして無理難題を吹っかけてみたり、孔明を抹殺しようとするシーンもある。この描写はpart.IIにあるのかもしれないが)。


物語は、中国が三国に分かれていた西暦208年。
蜀・劉備(ユウ・ヨン)が魏・曹操(チャン・フォンイー)によって追撃を受けた荊州(長坂の戦い:ちょうはんのたたかい)から始まる。
敗走する劉備軍は最後の手段として、呉と同盟を結び共に曹操を倒すよう説得すべく、軍師・孔明(金城武)を呉・孫権(チャン・チェン)の下へ向かわせる。
果たして、蜀と呉の同盟はなるのか?そして、膨大な兵を擁する曹操軍に打ち勝つ事はできるのか?


というのが、『part.I』の大まかなあらすじ。
『part.I』は、長坂の戦い、蜀と呉による同盟を中心に、赤壁での水軍を交えた直接対決の直前までが描かれている(つまり、今回は前哨戦まで)。
中国の風景や衣装などはさすがに本場だけあって、他の国の作った映画では真似できないクオリティを醸し出している。
各登場人物を演じる役者にも、史実にある年齢に近い人物を配しており(戦国時代の苛烈な生活環境を考慮してか、現代の実年齢+10歳と想定している)、
史実当時20代後半だった孔明に金城武(1973年生まれ。35歳)、30代だった周瑜にトニー・レオン(1962年・46歳)、20代だった小喬にリン・チーリン(1974年生まれ・34歳)など、そういった面でもリアルさを追求している。
金城武は日本人に御馴染みのある俳優だが、日本の作品に出て、つたない日本語で演技するより、こういった作品に出ていた方が本来の演技力が活かされ、似合っていると思う。
いかなる時も冷静沈着、線の細いイメージのある知的な孔明役が意外にもハマっていて驚いた(孔明の聡明さや知略を披露するシーンは全くなかったが。そういった孔明の描き方の弱さも、『演義』ベースではないと思わざるをえない)。
『少林サッカー』では内気なヒロインを演じていたヴィッキー・チャオも、孫権の妹・尚香を大きな瞳をクリクリさせながら元気良く演じていて、登場するだけで観ている者にほっと一息つかせてくれる存在となっている。
戦闘シーンは、一騎当千という言葉がピッタリなように、関羽、張飛、趙雲などの豪傑・英傑が、まるでゲームを再現したかのようにバッタバッタと敵を薙ぎ倒していき、それぞれがカッコイイ見せ場を作っている。
しかし、そのカッコイイ戦闘シーンを見ていて残念に思ったのは、一般兵を演じる多くの役者たちの身体のキレと身のこなしが悪く、
戦場での迫力や緊張感が伝わって来ないために、明らかに兵士ではなく、そこら辺の若者を連れてきましたという風に見えてしまっている点。
それと、使われているCGも昨今のハリウッド映画に比べてレベルが低く、いかにもCG、いかにも別の場所で撮影した素材の虎(ピンポイントで!)に見えてしまっている点もいかがな物かと。
これだけ、人海戦術で制作しているなら、そこもCGを使わずに本物を使っても良かったのではないかと思う。
CGだとわかるCG映像は『マトリックス・リローデッド』を思い出した。
ただ、そこを差し引いても、奥行きのある映像と迫力あるシーンから壮大な『三国志』世界を感じずにはいられないという事は、さすが本場、さすがジョン・ウーだといえるかもしれない。
あッ、でもどうしても気になって仕方ない点がない事もない。
知略に長け、武術の腕も立ち、クールで2枚目な周瑜が馬の出産に立ち会うシーン。
生まれた仔馬に小喬が「名前をつけて」と周瑜に頼む。
少し考えて、周瑜は考えた名前を小喬にいう。

「萌萌(モンモン)」

天も周瑜に三物は与えなかったと思ってしまったシーン。
周瑜、もっとカッコイイ名前つけてやれよ……。







そういえば、ハートの形をした違和感ありまくりの『レッドクリフ』のRCというロゴ↓



どっかで見た気がするなと思っていたら、配給にavexの名前が……。
そうか、avexが作りそうなロゴデザインを『三国志』に使っているから違和感を感じたのかもしれない。
正直、作品には全くあってない。


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Posted by 今井秋芳 at 03:17│Comments(6)シネマ
この記事へのコメント
エキストラの数と撮影地には
困らないぐらいの人口と土地を持つ国
さぞや大迫力でしょうね!

萌萌・・・モンモン?
日本では萌え萌えっていう意味を
どのような解釈で捉えているんでしょう?
Posted by DragonWoman at 2008年11月03日 03:40
>>DragonWomanさん
エキストラの多さが半端ないです。

どんな意味があるんですかね(笑)
響きは可愛いですが、字幕で「萌萌」とか出た時はギャグにしか見えませんでした。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2008年11月03日 03:49
金城武は凄い孔明似合いますね〜

ホウ統は誰がするんですかね
Posted by ぬまっち at 2008年11月03日 09:44
確かにあのエーヴェックスのコテコテの戦略には辟易します
しかし、あれだけ登場人物の多い物語なのだから、架空の武将は出さなくても良かったのではないかと思ってしまいます
Posted by 冬狐堂 at 2008年11月03日 10:56
>>ぬまっちさん
part.IIの予告編で、それっぽい人物が出ていました。
黒ずくめで顔も布で隠していましたが。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2008年11月03日 12:45
>>冬狐堂さん
逆をいえば、日本人に『三国志』に登場する武将を演じさせる訳にはいかないって事かと。
俺もオリキャラは興醒めです。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2008年11月03日 12:46
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