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2008年12月31日

●『スピード・レーサー』

●『スピード・レーサー』★★★★★

日本のアニメ(コミック)の実写映画化は、日本人自らが手掛けた物としても数知れずあるが、どれもこれもイマイチな出来ばかりで、
元のアニメを観て好きだった者としては、毎回ガッカリさせられてきた。
有名どころの俳優に頼る薄っぺらいアレンジ、何のリスペクトもない音楽や流行のアーティストを使ったエンディングソング、監督や脚本家が出さなくてもいい余計なアーティスト性を出して、元の作品の雰囲気を勝手に改悪してみたりなど、
どうにもこうにも、何で実写化するたびに同じ過ちを犯すんだといいたくなる。
だから、アニメの実写映画化と聞いただけで、「期待できない」「どうせ駄作」という感覚が、多くの原作ファンに刷り込まれているのも事実だろう。
この『スピード・レーサー』という作品もタツノコの名作『マッハGoGoGo』の実写映画化なので、期待はしていなかった。

監督は『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟。
主演は、『イントゥ・ザ・ワイルド』のエミール・ハーシュ。父親役にジョン・グッドマン、母親役にスーザン・サランドンとベテランを配している。
ヒロインのトリクシー役は土屋アンナ……じゃなく、クリスティーナ・リッチ(『スリーピー・ホロウ』のヒロイン役)。
レーサーXが、どこかで見た顔だなァと思ったら、『LOST』のマシュー・フォックスだった!!
他にも『マッハGoGoGo』に登場した主要キャラクターたちがしっかりと登場するが、どれも原作のイメージを損なっていないというのは、ナイス・キャスティングだといえよう。
『チャーリーとチョコレート工場』を連想させるCGで作られた極彩色の映像が、精密でリアルなCGに慣れた昨今の映画の中では安っぽく感じられるが、徐々にそれがこの作品の味になってくる。
主人公レーサーの弟スプリトルと猿のチムチムの大袈裟で下らない掛け合いなどは、その映像表現とあいまって、非常にタツノコ臭さを出しているといえる。
タツノコのギャグというのは、下らないネタを大袈裟で過剰に演出して見せるという部分があるので、『スピード・レーサー』は、そこをちゃんとわかってやってるなと感じた。
レースシーンは、すり鉢状のコースやジャンプ台などのコースの作りや車体など、ゲームの『F-ZERO』や『マリオカート』を髣髴とさせ、非常にゲーム的な展開を見せている。
F1や実際のレースと比べ、リアリティが皆無だと評する人もいるが、それをいうのは野暮というものだろう。
そもそも原作の『マッハGoGoGo』自体にも、リアリティはないのだから。
アニメやゲームに登場する奇想天外なレースシーンを映画で表現したと思えば、本作は高いレベルでそれが成功していると思われる。
主人公の乗るマッハ号のジャンプ音が、アニメと同じ音というのも嬉しい。
ストーリーは、家族の絆を中心にわかりやすく描かれており、主人公レーサーの葛藤や意志にも容易に共感できて、爽やかな後味を残している。
正直、真田広之は「別にこれが真田広之じゃなくてもいいだろ……」と思わずにはいられない微妙な役どころだったが。
劇中で使われる音楽も『マッハGoGoGo』の音楽のアレンジという凝りよう。
クライマックスの盛り上がりも悪くなく(もっと盛り上がってもいいとは思うが)、爆発の光に包まれてゴールしたレーサーが着地して取るポーズがまた、原作のポーズと同じというのも憎い演出だ。
随所で「本当に『マッハGoGoGo』大好きなんだなァ」と原作への愛を感じる事ができ、ハリウッド映画ながら、日本人として幸せな気分にさせてもらった。
エンドロールにも、その愛は溢れている。
エンドロールが始まると同時に「おお!」と声を上げたのは、後にも先にもこの作品ぐらいである。
海を越えて再現された名作の息吹が確かにそこにはあった。
今まで『マトリックス』の第1作目が好きなだけで、ウォシャウスキー兄弟には別に何の想いもなかったが、『スピード・レーサー』で兄弟の事が一気に好きになった。



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Posted by 今井秋芳 at 13:31│Comments(4)シネマ
この記事へのコメント
おめでとうございます!
タツノコプロってどの作品も画がキレイだったですよね。
マッハGoGoGoもガッチャマンも
未だに格好いいと思います!
日本のアニメの実写映画化で話題の
「ドラゴンボール」の実写、予告編を映画館で観ましたが
ドラゴンボールだと思って観なければ
十分楽しめるSFロードムービーではないか?なと・・・
無理でもしなければ、観れなかったです。
Posted by DragonWoman at 2009年01月01日 04:07
>>DragonWomanさん
『ドラゴンボール』は予告を見て、さらにテンション下がりました。
予告が良くて本編がダメというのはよくありますが。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2009年01月01日 23:32
『ドラゴンボール』は予告を見て肩が震えました(笑)
ある意味楽しみかな?と、怖いもの見たさ感覚に考えてます。

今年も映画話などここのブログを楽しみにしておりますので、お仕事共々頑張って下さい!
Posted by サイクロップス好き! at 2009年01月01日 23:53
>>サイクロップス好き!さん
映画館の中に、あんな微妙な空気が流れた瞬間は今まで体験した事がありませんでした(笑)
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2009年01月05日 02:04
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