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2009年06月13日

●『スラムドッグ$ミリオネア』

打ち合わせの合間に3時間ぐらい時間ができたので、久しぶりに映画鑑賞など。
観たものは↓


『スラムドッグ$ミリオネア』★★★★★

『トレインスポッティング』『28日後…』のダニー・ボイル監督による青春劇。
第66回ゴールデングローブ賞作品賞、第81回アカデミー賞作品賞を含む8部門を受賞。

テレビの人気クイズ番組に出演したジャマール(デヴ・パテル)は次々に出題される難問に正解し、賞金を獲得していく。
しかし、それが不正をしていると疑われ、最終問題の手前で警察に捕らえられてしまう。
厳しい取調べを受けたジャマールは、自分が答えを知りえた真実を警官に語り始めるのだった。

日本でもお馴染みのクイズ番組『クイズ$ミリオネア』に出演したひとりの青年について、
「何故、貧民街(スラム)出身の野良犬のような青年が数々の難問を解く事ができたのか?」という観点から、その過去を回想して辿っていく。
次第に明らかになっていく過酷で壮絶な生い立ちは、当時のインドの時代背景や風土などを織り交ぜながら語られるため、
誇張している部分はあるにせよ非常に説得力のあるものとなっている。
アカデミー賞受賞作品は玄人好みの渋い作品が多い印象が強いが(中には『ロード・オブ・ザ・リング』のようなエンターテイメント作品もある)、
本作は『28日後…』を彷彿とさせるスピード感あるカメラワークと引き込まれるシナリオにスリリングな展開で万人受けする作品に仕上がっているといえる。
原作はヴィカス・スワラップの『ぼくと1ルピーの神様』というフィクション小説なので、
話が上手く行きすぎといえば行きすぎなのだが、それをフィクションと感じさせる瞬間は少ない。
まるで実話であるかのような錯覚を―――現に観ている間、幾度となく覚えた。
「これはフィクションなんだ」「作り話なんだ」とわかっていても、この青年がどんな人生を送ってきたのか知りたくなり、またこのただのクイズ番組の結末が知りたくなった。
それはリアルなインドの風景やリアルな人物描写なくしては成し得なかった事だろうし、そのリアリティこそが本作が他の作品と一線を画している部分なのだと思う。
クイズの答えとジャマールの人生との対比もそのリアリティに裏付けされているが故に真実味を帯びている。
話が進んでいくと、最後の問題までは解答できた明確な理由が描写されているが、最後の問題だけが「何故、答えられたのか?」と思う人もいるかもしれない。
しかし、そこでふとジャマールとラティカの関係を振り返ってみよう。
ラティカを一途に想うジャマール。
再び、ラティカと巡り逢う事ができたジャマールにとって、すでに番組も賞金も答えもどうでも良かったのだろう。
だから、考える事なくAと即答した……ただ一番最初にあった答えを選んで。
冒頭で観客に問いかけられる問題の答えとなる4択。

A. He cheated
B. He's lucky
C. He's a genius
D. It is written

It is written=(すでに)記されている事。
つまり、聖書に記された神の啓示や教えの如く、人間の運命もまた神がすでに記した如きであるという事を「It is written」は意味しているのである。
正解がAだったのは運かもしれないが、他の問題でなく最後の問題の正解がAだったのは、作品で語られているようにそれがジャマールの《運命(It is written)》だったのかもしれない。
そういった描写も含めて、とにかく主演の2人(兄貴も入れると3人)の存在感が素晴らしい。
主人公ジャマールの少年期や青年期のふとした瞬間の表情や仕草、目で語るセリフなきセリフ、ヒロインであるラティカ(フリーダ・ピント)の物憂げな表情や無垢な美しさは、演技を超えた演技となって観る者を惹きつけてやまない。
特に駅のホームでジャマールに気付いたラティカの恋する少女特有の美しさは、ジャマールだけでなく観客もハッとさせられたのではないだろうか。
エンディングロールのインド映画らしいダンスも俳優が踊っているというよりは、ジャマールとラティカが自らの手で掴んだ未来と新たな人生を歓喜して舞っているように思え、違和感なく観る事ができた。
壮絶で哀愁漂い、悲惨だが笑える部分もあり、スリリングで心温まる…そんな不思議な作品が、この『スラムドッグ$ミリオネア』である。
そう、笑えるといえば、ジャマールの兄サリーム(マドゥール・ミタル)とジャマールが工事現場で数年ぶりに再会する場面。
久しぶりに会う兄の姿に驚くジャマールだが、おそらく多くの観客がこう思ったに違いない。
「兄ちゃん、痩せた!!」と(笑)



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Posted by 今井秋芳 at 01:31│Comments(2)シネマ
この記事へのコメント
「JayHo」はグッと来ました!
そして、青年になった兄ちゃんは…
亀田大毅に似てません???
Posted by 白天恃堂 at 2009年06月16日 13:41
>>白天恃堂さん
ほんと白天恃堂さんって亀田大好きですよね♪
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2009年06月18日 15:42
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