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2008年06月26日

●『ヴェロニカ・ゲリン』

●『ヴェロニカ・ゲリン』★★★★★

自らの記事で麻薬犯罪と戦い、そして凶弾に倒れた
実在のアイルランドの女性ジャーナリスト―――ヴェロニカ・ゲリンの物語。
監督は「オペラ座の怪人」のジョエル・シューマカー、
製作はジェリー・ブラッカイマー。
ヴェロニカ・ゲリン役を「ロード・オブ・ザ・リング」で
幻想的なエルフの女王ガラドリエルを演じたケイト・ブランシェットが熱演している。


1994年、アイルランド。
ダブリンの街は、麻薬が横行し、それを取り締まる法もなく、
警察も麻薬犯罪や売人にさえ手が出せない状態だった。
愛する家族と平穏に暮らすジャーナリスト、ヴェロニカは、
その光景に麻薬犯罪と戦う決意をする。
度重なる取材で明らかになっていく真実。
しかし、犯罪組織からの脅迫にも負けず取材を続けていく彼女に危険が迫っていた……。


颯爽と車を駆り、毅然とした態度で取材を続けるヴェロニカの姿が美しい。
それは、きらびやかな美しさではなく、凛とした美しさだといえよう。
いいかえれば、肌を切るような冷たい風である。
しかし、仕事中とは違い、家族の前でとても優しい笑顔を見せるヴェロニカの姿からは
太陽を受けた暖かい風を感じる事もできる。
そういった、母として、妻として、ひとりの女として見せる様々な顔が
彼女の魅力でもあったのだろう。
特殊な才能がある訳でもなく、強力な後ろ盾があるでもない
実に普通の人間的な女性だからこそ、結末に待ち受ける悲劇に胸が痛まずにはいられない。
一体、一介のジャーナリストである彼女を突き動かしていたものは何なのか?
作品中で、ヴェロニカはいう。

「それが私の義務だ」と。

それは、誰もが持つ犯罪に対する怒り、人としての正義の心を
我々に示そうとした彼女からのメッセージなのかもしれない。
映画という時間的・演出的に制約のあるメディアの性質上、
ヴェロニカ・ゲリンという女性の生涯だけを淡々と描いていく事はできないが、
DVDの特典に収録されている在りし日の彼女(本物)のインタビューを観るにつけ、
勇敢な彼女の意志は確かに本作に生きていると思った。
そして、その姿の再現に最も力を貸したケイト・ブランシェットの
力強い瞳の輝きと魅力的な笑顔に記者魂ならぬ女優魂を見た気がする。

ジャーナリスト、ヴェロニカ・ゲリンの死を切っ掛けに、
麻薬犯罪に対して市民が立ち上がり、アイルランドは変わったという。
彼女は、命を懸けて自らの「義務」を果たしたのだ。
享年37歳。
クライマックスで流れる歌声に、
亡くなるにはまだ早過ぎる女性ジャーナリストの冥福を祈らずにはいられない。
現在―――、
ダブリンにある城には「ヴェロニカ・ゲリン」の記念碑が建てられ、
今尚、「勇気の象徴」として市民を見守っているという。



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Posted by 今井秋芳 at 01:12│Comments(0)シネマ
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