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2008年07月17日

●『グッバイ、レーニン!』

●『グッバイ、レーニン!』★★★☆☆

ドイツ映画で、しかもタイトルからして社会派の堅苦しい作品かシャレたアート系作品のように思えるが、
中身は家族の愛を描いた素朴でやさしく切ない物語。
主演は『ベルリン,僕らの革命』の若手ダニエル・ブリュール。
音楽を『アメリ』のヤン・ティルセンが担当しているのも聴き所。

心臓発作の後遺症で、長い間昏睡状態だった母親が意識を回復するも、すでにベルリンの壁はなく社会主義は時代の彼方。
母親にショックを与えないよう主人公アレックス(ダニエル・ブリュール)は周囲をも巻き込んで奔走する。

日本人である我々にとって、東西ドイツ統一とベルリンの壁崩壊はニュースの上の出来事でしかない。
本作では、その出来事がドイツ人たちの生活をどう変え、どういう想いを抱かせたのか垣間見せてくれる。
資本主義の流れ込んできた世界で、統一前の東西ドイツを再現しようとするアレックスの姿は
社会主義を頑なに守ろうとした堅物たちを皮肉っているし、
統合によって職や未来を失った人の姿は、必ずしも資本主義は全ての人
を幸せにするものではないのだと警告している。
当時の本物のニュース映像も多く使われているが、そういったグローバルな社会現象を見せるだけではなく、
そこに住むドイツ人一家のドタバタを、時にコミカルに時に情感豊かに
描いているため、最後まで飽きさせない。
手を差し出すようにレーニンの像がヘリで運ばれるシーンなど心に響くシーンが多い。
変わるものと変わらないもの。
そして、真に大切なものとは何なのかを本作は教えてくれる。
最後のテレビから流れる演説のシーンと
母親が息子のついた嘘を知りながら穏やかな眼差しを彼に向け、ひと言だけ「素晴らしいわ」と呟くシーンに、
本作の全てが集約されているといっても過言ではない。
この時の母親(カトリーン・ザース)の表情がまた素晴らしい。
ドイツ人にしか作れないが、ドイツ人でなくとも楽しめる一作。



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Posted by 今井秋芳 at 19:12│Comments(2)シネマ
この記事へのコメント
懐かしい。
この映画、気になってわざわざ一人で恵比寿まで観に行ったんですよ。

しかもこの母と息子の愛情がすごく好きで。
後半、母親に息子の行動の意味を告げてしまう彼女の行動とかも、ある意味生々しくて。
でも、それすらも超えて包む母の愛情にグッときた覚えがあります。

いま、過去からの記事をひとつひとつ読ませていただいていたのですが、思わずコメントしてしまいました(笑)
Posted by サイクロップス好き! at 2008年10月27日 00:16
>>サイクロップス好き!さん
息子の嘘を知っていながら、知らないフリをする母親の姿にグッときましたね。

いつでも、コメお待ちしていますので、どうぞ♪
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2008年10月27日 00:41
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