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2008年07月28日

●『殺人の追憶』

●『殺人の追憶』★★★★☆

1986年、ソウルより南に50km。
そこに位置する農村で女性の変死体が発見された。
そして、数日後。
同じ手口によるものと思われる新たな女性の変死体が発見される。
地元の刑事パク(ソン・ガンホ)は、猟奇殺人の捜査を開始する。
旧態依然とした暴力的なやり方で捜査を繰り返すパク。
そんな中、犯人の手掛かりが見つからず苛立つパクの下へソウルから一人の刑事―――ソ・テユン(キム・サンギョン)が派遣されて来る。
やり方も考え方も違う二人の刑事によって、事件は新たな展開を見せ始めるのだった。


私のお気に入りの俳優ソン・ガンホが主演している、《手》が重要な手掛かりとなるサスペンス。
まず冒頭から、のどかな田園の中に佇む少年の姿に引き込まれる。
その無垢な風景が、これから起こるであろう狂気を予感させる。
本作は、雨のシーンが多い。
降り注ぐ雨、夜の闇、静かなあぜ道。
それらが実に効果的に使われ、観る者に言い知れぬ不安感を与えてくる。
1986年から91年にかけて実際にあった『華城連続殺人事件』を元にしている本作を、面白いか面白くないかと議論すべきではないし、結末に爽快感を求めるのも無理な話だろう。
何故なら、その事件の犯人が未だに逮捕されていないからである。
30万人の刑事・警察官が動員され、3千人の容疑者が取り調べを受けても尚、犯人を捕らえる事ができなかった未解決事件。
真実は、この映画よりも酷い。
それでも、我々は本作から刑事たちの慟哭と怒りを感じ取れるし、田園の青空の下に今もいるかもしれない犯人の笑い声を聴く事ができる。
それら目に見えない情感を見事に表現した役者たちの演技が素晴らしい。
対照的な刑事を演じたソン・ガンホとキム・サンギョンの焦燥と苦悩に満ちた表情も巧く、ラストのソン・ガンホの何ともいえない表情のアップが観終わった後も脳裏に焼きついて離れない。
韓流ブームでヤサ男の役者がもてはやされているが、魅力のある男の顔というのは、こういう顔をいうのだろう。
実際の未解決事件という『犯人が捕まっていない=警察の敗北』という重苦しいテーマを扱いながら、メッセージ性の高い作品に仕上げたスタッフの手腕に拍手を贈りたい。



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Posted by 今井秋芳 at 12:27│Comments(0)シネマ
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