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2008年08月04日

●『イングリッシュ・ペイシェント』

●『イングリッシュ・ペイシェント』★★★☆☆

イギリスのブッカー賞を受賞したマイケル・オンダーチェの長編小説「イングリッシュ・ペイシェント(邦題:イギリス人の患者)」の映画化。
監督・脚本は、脚本家出身のアンソニー・ミンゲラ。
第69回アカデミー授与式において、作品賞、監督賞、助演女優賞(ジュリエット・ビノシュ)、美術賞、撮影賞、衣裳デザイン賞、編集賞、オリジナル作曲賞、音響賞の9部門を受賞した。


第二次世界大戦下の北アフリカ。
撃墜されたイギリスの複葉機から、全身に大火傷を負った男が救出される。
容貌も変わり、記憶さえ失くしたその男は「イギリス人の患者=イングリッシュ・ペイシェント(レイフ・ファインズ)」と名付けられ、
病院に収容される。
看護婦ハナ(ジュリエット・ビノシュ)の献身的な介護を受ける内に、徐々に記憶を甦らせていく男。
それは、砂漠での悲しい禁断の愛の記憶だった……。


正直、ここまで多くのオスカー(アカデミーのトロフィー)を手にできる作品ではないだろう。
だが、観終わった後は、まるで砂漠の熱に当てられたようなジリジリとした余韻が包んでくれる。
もしかしたら、それこそが、本作が描こうとしている《情愛》という名の熱さなのかもしれない。
主演は『シンドラーのリスト』のレイフ・ファインズ。
共演は『フォー・ウェディング』『海辺の家』のクリスティン・スコット=トーマスと『ショコラ』のジュリエット・ビノシュ。
二組の男女の燃え上がる愛の物語を、脚本家出身監督らしい繊細で巧みな人物描写で見事に映像化している。
新しくありながら、どこか古臭い香りが漂うのも本作の特徴。
それは、記憶を失った『イギリス人の患者』の如く、往年のハリウッド映画が持っていた《純粋な愛》の記憶でもあるのかもしれない。
終始、登場人物たちは愛を渇望し、苦悩し、翻弄されていく。
『イギリス人の患者』である男の人生の自己中心的なところがやや鼻につくが、その中で、看護婦ハナの献身的な姿が、悲劇的な展開に一筋の希望と光を与えている。
許されぬ恋といえば、『ロミオとジュリエット』を始め、実際の歴史上でも多数あるが、本作で描かれている「障害があるからこそ燃え上がる愛の形」は、日本の昼メロに近い。
実に濃厚に繰り広げられる男女の関係に、いささか胸焼けする場面もあるが、ラストの余韻ある幕切れには、胸が熱くなった。
ただ、人生経験を積んだ大人と恋に恋する若者では、本作の印象が全く違うかもしれない。
それを悲劇ととるか、運命ととるかは観る者次第だろう。

愛というのは、かくも狂おしく儚く美しい……。



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Posted by 今井秋芳 at 04:25│Comments(0)シネマ
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