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2008年08月19日

●『愛の流刑地』

●『愛の流刑地』★★★★☆

『失楽園』で男女のひとつの愛の形を描いた渡辺淳一原作の同名小説の映画化。
主演は、豊川悦司と寺島しのぶ。
共演陣も佐藤浩市、佐々木蔵之介、浅田美代子、余貴美子、津川雅彦、仲村トオルと演技派揃い。
長谷川京子も今までにはない色気と毒のある女を演じている。
個人的には、劇場版の寺島しのぶよりTV版の高岡早紀の方が好きだが、冬香というキャラには寺島しのぶの方が合っていると思う。
物語は、主人公である菊治(豊川悦司)が愛する女・冬香(寺島しのぶ)を情事の果てに絞殺するところから始まる。
そして、裁判によって、冬香が死に至るまでの出来事が描かれていく。
公開前は、そのセクシャルな描写がスゴイだとか10分に1回はエッチをしているとか下らないネタで騒がれたが、本作をそういう目で観て吹聴している人は、AVと本作の区別もついていない人間だろう。
本作が描こうとしているのは、紛れもなく大人の愛の形であるし、男と女という生き物の違いである。
とかく女の方が現実的で男の方が夢見がちだといわれるが、情熱という事柄に関しては、女の方が夢見がちなのだと思う。
劇中で幾度となく出てくる「愛しているなら殺して欲しい」という台詞は、女からすると愛する者の腕の中で死ねるなら、それでも構わないという激情が表れており、本心だろう。
しかし、男がそういわれた場合に考えるのは、「愛しているから殺したい」ではなく「殺したその後の人生」だ。
仕事や世間の事、周囲の人間の事など、実に現実的な未来を考える。
菊治の「あなたは死にたいほど、人を愛した事がありますか?」というセリフにもそれはよく表れている。
「殺したいほど、人を愛した事が……」ではないのだ。
この場合の「死にたい」とは客観であり、主観でいうなら「殺したい」といっているはずである。
つまり、男の視点から見た台詞と女の視点から見た台詞の違いという訳だ。
まあ、物語は結局は、そのような究極の愛の形の是非を問うという話ではなく、冬香の菊治に対する復讐だったという形で幕を閉じるので、どちらでもいいといってしまえば、どちらでもいいが。
役者陣の熱演もあって、かなり見応えのある作品に仕上がっていただけに、最後まで愛と死をテーマとした流れで行って欲しかった。
それでも、男女の愛を描いた作品としては、他の作品と一線を画している。
下卑た噂に惑わされずにじっくりと鑑賞して欲しい一作。



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Posted by 今井秋芳 at 23:30│Comments(2)シネマ
この記事へのコメント
私もこの作品は劇場に行って見ました。
冬香に移入しながら見ていたら、「これでこの人は私だけのものになった」という風にも捉えられて、これも愛の行きつく先のひとつかな?と思いました。エロスとか抜きで好きな作品でしたので、コメント失礼しました!
Posted by エーリ at 2008年08月20日 00:15
エーリさん、こんばんは。
愛の行き着く先はいろいろありますよね。
深いです!
またどうぞ気軽にコメントしてください。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2008年08月20日 00:33
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