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2010年03月09日

●『コララインとボタンの魔女』

●『コララインとボタンの魔女』

『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック監督(『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の
監督がティム・バートンだと思っている人もいるかもしれないが、ティム・バートンは、原案・設定など)によ
るストップモーション・アニメ作品。
ストップモーションとは、実物の人形や物を少しずつ動かしては撮影するという作業を繰り返して動画を作成する手法。
要は、セルアニメを1枚1枚撮影したスチルを使って作るという感じ。考えただけでも気の遠くなる作業だが、ちゃんと
動画になるように動かしていくのには相当な技術を要する。ストップモーション・アニメの大家といえば、真っ先にレイ・
ハリーハウゼンの名前が挙がる。ハリーハウゼンが生み出した『シンドバッド』シリーズや『アルゴ探検隊の冒険』、20
10年に最新鋭のCGでもリメイクされる『タイタンの戦い』など、今なお名作と呼ばれるストップモーション・アニメ作品は
多い。アニマトロニクスやパペットという技術をエンターテイメントや芸術まで引き上げたのがジム・ヘンソンだとしたら、
ストップモーション・アニメという技術を多くの人に知らしめたのは、ハリーハウゼンだといえよう。事実、ヘンリー・セリッ
クもティム・バートンもハリーハウゼンに多大な影響を受けており、両者ともインタビューなどでハリーハウゼンの名を口
にする事も多い。
『コララインとボタンの魔女』も往年のストップモーション・アニメ作品に引けをとらない素晴らしい完成度になっている。
CGとは違う温もりや存在感のある画は、どんなに美麗なCGでも絶対に出す事のできない世界を描き出す事に成功して
いる。人形でありながら、命があり、そこに本当に存在しているかのような登場人物たちは、時に愛らしく、時に可笑しく、
時に不気味で、観る者の心を惹きつけて止まない。
お話自体は、御伽噺のノリで、主人公の勇ましい少女・コララインが困難にもめげず魔女に立ち向かっていくという感じで、
途中で泣けたり、「なるほど、そういう展開で来たか」と唸るストーリー部分もほとんどなく、淡々と流れるように進んでいく。
それでも、本作を多くの人に観て欲しいと思うのは、やはり他に類を見ないその技術の素晴らしさがあるからだろう。
それは、職人の技、匠の技を目の当たりにした時の感動にも似ている。昨今のゲーム業界もそうだが、何でもかんでも
3DグラフィックやCGにしてしまう風潮の中で、手作り感のある本作の持つ価値というのは、とてつもなく大きい。
エンターテイメントやアート、芸術に従事する者、またはそういう分野に興味がある者は、久しぶりのストップモーション・
アニメ作品の新作を是非堪能してもらいたい。
公開している劇場のほとんどが吹き替え版で、字幕版は幾つかの劇場でしか公開しておらず、コラライン役のダコタ・ファニング
(『マイ・ボディガード』『宇宙戦争』など)や黒ネコ役のキース・デヴィッド(『ピッチブラック』『メリーに首ったけ』など)の生声が
聴けないのが残念といえば残念である。



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Posted by 今井秋芳 at 15:09│Comments(8)シネマ
この記事へのコメント
プロフィール画像がいつの間にか変わってる!
確かに仕事しいの今井氏ならこっちの方が格好いいとは思う。
がっ!前の戦隊モノ風の方が・・・
どっちかというと良かった!
と個人的我侭を人とんちのサイトでのたまってみた。
すんません(ペコリ)
Posted by DragonWoman at 2010年03月09日 18:24
これ見ましたよー、何気に結構怖くて、ビビってしまいました・・・気味悪いっていうのかな・・・?
無垢なお子さんを連れていくと、結構なトラウマを残すんじゃないでしょうか(笑)
とーってもオードソックスなストーリーですがそれが逆に良い味出してますよねぇ。
すんごい面白かったなぁ・・・
Posted by 夕闇 at 2010年03月10日 22:02
OPと引っ越し屋さんの動きがお気に入りのシーンです。(他にも素敵なシーンはたくさんありますけど。)関係ないけど、NHK人形劇「新・三銃士」は超オススメです。オススメ。
Posted by e.imai at 2010年03月13日 17:00
こちらの紹介を読んで、遅ればせながら先日観て参りました。

ストップモーションアニメ、というと、大昔にポンキッキで観たクレイアニメがまず思い浮かぶ自分です。(結構好きでした)
そんなイメージで観に行ったのですが、冒頭のあの人形作りのシーンから、その生々しい繊細さに驚きました。
あの独特の雰囲気のある細やかさはCGでは出せませんね…!
あちらの世界でのカメラの視点なども、思わず魅せるなぁ!と時に唸ったり、最後まで始終楽しめました。

しかしこの作品は…ちびっ子は怖いわ(笑)
作中のカマキリの写真立てが何げに素敵で欲しくなりました。

DVDがでたら、メイキングも付いたりするんでしょうか。これはぜひ付けないと。

この作品から辿ったコンセプトアートの上杉忠弘さんのサイトを覗いてみたら、
絵を1枚見ただけじゃ気付かなかっただろうけれど、
この方の空間の使い方、奥行、光と影、水、空、空気、ガラス、反射etc、
自分の趣味ドストライクで、久しぶりにこういう方面で
血湧き肉躍る感じを得、非常に満たされました。

素敵な作品のご紹介ありがとうございました!
Posted by タンコブ中N at 2010年03月26日 01:37
>>DragonWomanさん
似せるか似せまいか迷った結果、半分だけ似せました。
どこが似ているかは秘密です。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2010年05月24日 21:13
>>夕闇さん
造形美ですね。
世界観が統一されている作品はすごく好きなので、DVD発売が楽しみです。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2010年05月24日 21:14
>>e.imaiさん
三谷さんの『三銃士』ですね。
ギャグやノリが三谷さんらしい感じです。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2010年05月24日 21:15
>>タンコブ中Nさん
ブログから興味を持ってもらえたようで紹介した甲斐があります♪
DVDは是非3D版も出して欲しいです。
エンディングのフレームの演出がとてもキレイだったのでもう一度観てみたいです。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2010年05月24日 21:17
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